2009年10月26日月曜日

人間中心設計特論2









今回はIBMです。会社のデザインに対する取り組み方のユニークポイントとして挙げられたのが、「論理的な手法を活用してデザインを行うこと」「センスや体験でデザインをする」
ということです。IBMにはコンサルタントとしてポールランドとリチャードサッパーがいる。彼らは生涯雇用で雇われていて、死ぬまでIBMの面倒をみる。生涯雇用のメリットは通常のある決められたの期間だけのコンサルとはちがい長期的にサポートすることで会社を長い目で育てられる。ちょうど育児みたいに。


この2人は、センスや体験でデザインをする人。例を挙げるとリチャードサッパー有名な照明「ティチオ」。どういうものかというと、夜本を読むときに隣で寝ている人がまぶしくないように作ったライトで、これは彼の「実体験」にもとづいて作られた。個性的なプロダクトというのは、視野を限定しそこを深堀することでユニークさが生まれると先生は言っていた。確かに、よく陥りがちだけどあれもこれもとやりたいことを詰め込むと、結局何がしたいかぼけるってことと同じでついつい考えすぎる自分にとって何となくでしか意識できてなかった単純シンプルに物事を捉えることの大切さを再認識できてよかった。


このように、実体験からのエモーショナル寄りな製品作りだけではなく、結構論理的にデザインを行うところが素晴らしいところらしい。彼らの論理とは「美しいは2つ」あるという論理。ひとつはユニバーサルな美しさ(世界中の誰が見ても美しいという)と、もうひとつはコンテクストにゆだねる美しさ(ある限られた状態で美しい)である。この使い分けをしている時点でヤバいことがよくわかる。

結局、今回何が分かったかというと、エモーショナルとロジカルな考え方は一見相反するようなことだと思うが、今回先生が伝えたかったのはデザイナーにとって一番大切な職能は右脳と左脳を使い分けられるようになるということではないかな。デスクに向かって論理的で理屈ぽぽくても、逆に芸術家でもだめ。双方を行き来できることで論理的で的確にコンセプトをたて、アウトプットをエモーショナルにこなせることだと思う。このスキルがあれば(努力も大事だけどここばかりは才能だと思うけど)デザイナーでもアートを生み出すことも不可能ではなくなる。


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