2009年10月27日火曜日

人間中心設計特論4

今回はアッキレ・カスティリオーニについての講義でした。
カスティリオーニのデザインには以下の特徴がある。自分なりにまとめました。


・Cost & Ready made design
・Friendly


Cost & Ready made design
彼のデザインは情緒的であると同時に、コストを非常に重視したものです。コストとかって学校では教えてくれない。講義中にあった作品の中で印象的だったのがマヨネーズの付録のスプーン。プラスチックで出来たただのスプーンなんだけれど、なぜかチープでないから不思議。デザインは、ビンの側面にこびりついたマヨネーズが無駄なく使えるように、口の部分が片側だけビンと接するように平たくなっている。先っぽもビン底にぴったりフィットするような絶妙なアールがついている。柄の断面は三角形でわりとシャープ。それゆえか全体にリズムがコントラストが効いていて野暮になってない。安いものでも価値をいくらでも変えることができるから優れたデザインの力ってすごいと思った。
あと、 Ready made designとは、すでにある製品から他の製品の一部として有効に流用したデザインのこと。Re Designとの違いはそのものには手を加えずそのまま使うということ。トラクターのイスを使ったカスティリオーニのチェアーがあったけど、あまり手を加えてないことでトラクターの座面そのものの美を気づかせてくれる。これは、既成の物の価値を良く分かっていて、かつ価値を上手に転換できる才能がないとただの流用になっちゃう、下手素人が手を出せない領域だな。



Friendly
オブジェクトとユーザーは常にフレンドリーであるべき。遊ぶような感覚で使える製品開発こそ、ユーザーを魅了するための最良の作戦ということなのですかね。イタリア人的発想だなー*最高です*そんなイタリア的ものつくりに比べて、日本はこれまで技術で世界をリードしてきた。消費者もこれまで最新の技術を持った製品に購買意欲を示したけれど、ここにきて技術の急速な変化にみんなに疑問が生じている。ゲーム機wiiで分かるように技術をあえて押し出さず、技術よりも人との接点を重要をおく製品作りと(もちろん最新の技術だけれどあえて押し出さないスタンス。)、カスティリオーニのオブジェクトとユーザーがフレンドリーであるべきという考えに近いものを感じる。







アッキレ・カスティリオーニ
ミラノ生まれ。ミラノ工科大学の建築学科を卒業。1944年から兄のピエール・ジャコモとともに建築家・デザイナーとして活動。

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